瞳が同じ色ですねSS(1/2)


誰かが言ったんだ。

お前、ビュティの目と同じ色だな って。

だから俺は、ただ確かめようとしただけなのにさ。



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一行は昨日からこの山中のログハウスに足止めを食っていた。
昨日の昼から降り始めた雪は思ったよりも激しくなり、
視界の悪さと寒さに参った一行は、雪が穏やかになるまで
この登山者用のログハウスに泊まることにしたのだった。

っていうか、大体山のことなんか何も知らないくせに
首領パッチがどんどん険しい山に踏み込んでいったせいで、
俺らは被害者みたいなもんだ

と、寒天になりかけた天の助は思っている。

おやつも終わった昼下がり。
雪はすっかりやんで、外はきらきら輝く銀世界。
様子見、ということで出発は明日なので、今日は戦士達は
思い思いの休息をとって過ごしている。

とは言え、落ち着いているのはソフトンくらいのものだ。
すっかり暇なボーボボと生ものたちは外で雪を投げたりして遊んでいる。

ビュティが台所でおやつの片づけをしていると、あわただしく扉の開け閉めする音が聞こえてきた。
ぴたん、ぺたんっと独特の重たいものが走ってくる音がして、それは台所に飛び込んできた。
「わーんビュティー!」
「何?天の助君。ご飯ならまだだよ。」

泣きまねをする青い半透明の塊に向かって冷静に返しを入れる
桃色の髪の女の子は、手を拭きながら振り返った。

「お!まだ作り始めてないなら、"ところてんとコンブの洋風ソテー砂糖のソースを添えて"にしたまえ」
「何ソレ新手のいやがらせ?そんなのにするんだったら"ハンペンの洋風ソテー 玉ねぎとトマトのバターしょうゆかけ”にするよ」


「はぁ!?ハンペンとかふっざけんなよ!?」
泣きまねはどこへやら、食べ物のことになると目の色が変わる生ものはその指の無い手で
ぺたんぺたんビュティの顔をつつく。
「冷たっ!・・・ちょ、やめてってば」
(くっ・・・ ウザい)
トコロテンのトコロテンたる所以の濡れたような半生の感触はひどく不快だ。

「もし100億万歩ゆずってところてんソテーにしたとしても、天の助君は1mgも使わないからね!」
「なんだとこの小娘がー!!くらえ、自称プルプル真拳奥義」
「で、何の用?」


あ、そうそう

とあっさり収まる天の助。
ビュティの方も自分の倍以上長く生きていると思われる天の助に対し何の遠慮もない。

「ボーボボ達とつららで遊んでたら、手を切っちゃってさー」
見ると右手の先から10cmくらいのところが切りそこなったタクアン状にバラリと切れている。

「わあ、綺麗ー…で、そのままカットして捨てればいいの?」
「ヒドッ!!!ヒドいわ、この娘!!食べ物をなんだと思ってるの!」
「いや・・・でも私は食べないよ?」

 

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