瞳が同じ色ですねSS(2/2)


寒天ないから、ゼラチンでくっつけていい?
洗った食器から手鍋を出してきて、刷毛で塗るしぐさをするビュティに
天の助は口を尖らせながらもふるり、と頷いた。

本当は、この美しい体に、またゼリー率が増えるのか。と思った。

でも、放って置いても元に戻るこの体に構ってくれることの方が
何だか嬉しいし、大事なことのような気がしたし。
だから天の助は黙って椅子に座った。

鍋で暖めたゼラチンを刷毛を使って器用に切れ目に塗っていくビュティ。
それをボンヤリ眺めていた天の助は、自分の手にビュティの顔が
映っていることに気がついた。

薄い水色に溶けるピンク。肌色。緑。

思い出したことがある。

「なー、ビュティ」
「何?」
顔も上げずに返事をする少女に、天の助はもう一度声をかけた。
確かめたいことがある。

「ビュッティさん、こっちむーいて」
怪訝そうな顔をしてこちらを向いた瞳を天の助はまじまじと眺めた。

「ふーん」
「…何?…あまり寄らないで」
不快そうな表情でちょっと体を遠ざけるビュティの顔を尚も追いかける。

やめてよ、とさっきより強い口調でとがめられて、無表情で眺めていた
天の助の顔が満足そうに笑って離れた。
「なんだよ、やっぱり全然違うじゃん。」
「何が?」
不快だと言わんばかり、いや実際にはその通りなのだが、表情を
固くしたままのビュティが聞き返すと、天の助は得意そうに口を開いた。

「お前の瞳と俺が同じ色」

天の助が最後まで言葉を紡ぐことは許されなかった。

イヤがるビュティの声を聞きとめたあの男が、一目散に駆けつけたからだ。

高らかに鳴り響き思いっきり開くドア、竜巻の如く舞い込む一陣の嵐、
そいつは雪崩れをも起こせよとばかりの大音量でのたまった。
「てめぇ、このところてん野郎がー!!」
「ぎゃぁぁぁぁーーーーー!?」

竜巻と思われたものから2本の鞭状のものが伸び、天の助の体を吹っ飛ばす!

「ボーボボ!?」
驚いて目を見開いた少女と、その水色の塊が舞い上がる瞬間、
物凄く近いところで2人の目が合った。

あ。

天の助は、その時にやっと気付いた。
少女の紺碧の瞳に映りこんだ自分の瞳。
ビュティの瞳の色は俺の体じゃなくて、
まさに俺の瞳の色と一緒だということ。
ビュティにはわかっただろうか。
いや、それはわかったとしても、少女には本当にどうでもいいことに違いない。

結局、彼女の紺碧の瞳が映したのは、手当ての甲斐なく
今度こそ完璧な短冊切りにされるところてんの姿だった。

ボーボボの鼻毛でバラッバラにされながら、でも天の助は満足だった。

みんなが憧れる少女と、他の人が願っても叶わない共通点がある。

ざまあみろ!!






天の助は満足だった。




殴られても切られても溶かされてもいいや と思うほど。









天の助は満足だった。

…翌日、ボーボボに寒風の中吊るされて、寒天にされるまでは。



-----------オワレ。
何この駄文。

あれー?自分天の助大好きなんだよね…?
ちなみに、ところてんを寒風に晒して凍らせて乾燥させると寒天になります。
さらにネタばらすと、首領パッチ君も青い目(ry

タイトルの”#007bbb”は、html色コードです。背景は違う色…見づらくて…

おこがましくも設置。

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